【 目 次 】
序 章
小泉さんは政治家 / 政治は偏り / 偏りは物語にして / 凸と凹は、手に手を取って / 相手は、死者ではなく、生きているあなた / 儀式は政治 / 体験は世代を超えられない / アイデンティティを国に寄りかかる人は / 外圧は束ねるタガの役 / 問題となっているのは、物語の再編
第1章 いくつかの原理的確認
はじめに
賛成の根拠は / 想像の産物 / 想像即ち無意味ではないけれど / 虚・実の見極めは必須のはず
第1節 信仰の自由
憲法違反だから反対 / 護憲だけでは / 信仰とは虚像を信じること / 勿論、虚像にも意味はあるけれど / 客観的には点としての我々の存在 / 歴史の教訓だから? / 誰しも根拠は不明 / 「不明原理」 / 信仰の自由はその帰結 / 宗教とは経験界を外から包んだ物語 / 靖国神社の儀礼は宗教
第2節 伝 統
伝統を根拠にする人達がいる / 不明の原理が導くは / けれど器が変わるから / 歴史はご破算には出来ない / 靖国70年そして戦後60年 / 伝統とは、環境への治まり方の歴史
第3節 国 家
国家は政治の道具 / 共有する価値観の維持には / 国家は家族の延長ではない / 殺傷与奪の権を独占する国家だから / 愛国の強要と暴力装置の底上げは抱き合わせ
第4節 政教分離
国家の原理は強制 / 意識は宗教を裁けない / 国家と宗教の結合は「空想」の強制 / けれど、おうおうにしてその結合が / 国家は価値観を共有し、価値観は宗教を背景にするけれど / 価値観を支える背景は多様 / そこは国家の強制の踏み込んではならない所 / 特に死観は微塵たりとも / 目的・効果基準に立つとすれば、画すべき一線は
第5節 慰 霊
黙して語らぬ死者なのに / 死者との交流を前提にしている / 聞こえるのは己の声 / それは価値観を確かめ合う儀式 / 死者の権威を利用しての押しつけ / 何故靖国神社でなのかこそ具体的に / 事は過去ではなく未来の問題だから
第6節 戦 争
戦争への感情が左右していたりして / 戦争とは、手段を変えた、政治にほかならない / 目的で、戦争を、正当化しようとするけれど / エゴを超えては、正当化できない / 戦争は、手段において、絶対悪 / けれど、戦火の絶えない、現実だから / 地球的には、まだまだ無政府状態 / 戦争は始めこそすれ、何も終わらせない / 自衛の戦争は、已むを得ざる悪事 / 多数の支持が、自衛の条件 / 一日も早い停戦こそ勝利 / 戦死者はあくまで、悪政の犠牲者
第2章 靖国神社的感情の人々(仮題) =準備中=
【参考文献】(本は、県立図書館の書棚にあった本を、無作為に手にしたものです。)
※ 「靖国神社」海竜社 三浦朱門 監修
寸評:賛成の立場だけれど、前半は結構客観的。後半の賛成の論旨は感情に依拠のよう。
※ 「すっきりわかる 靖国神社問題」小学館 山中恒 著
寸評:随所に彼の反対の立場がにじんでいるけれど、かなり客観的で、基本的には「皆さん判断してください」といった書き方。
※ 「日本人と靖国神社」光人社 新野哲也 著
寸評:「大東亜戦争当時、インドシナ半島はむろんのこと、当時の支那や朝鮮半島までが日本の快進撃に狂喜した。」などとおっしゃっております。一事が万事。
※ 「国家と祭祀」青土社 子安宣邦 著
寸評:反対の立場。論文のようで私には言葉が少々難解。けれど何が問題なのか良くわかる書。
※ 「検証・靖国問題とは何か」 PHP研究所(編)
寸評:賛否両論16名がそれぞれの立場で論じているけれど、どちらかというと賛成論主体。けれど、どういう問題があり、どういう考えがあるのか、大体の輪郭がわかる書。
※ 「靖国神社 ― せめぎあう〈戦没者追悼〉のゆくえ ―」 岩波書店 赤澤史朗 著
寸評:戦後、「慰霊・平和祈願」から「殉国顕彰・戦争責任否定」へ方針を転換させた靖国神社の辿った変遷を軸に、戦没者の追悼をめぐって、戦後の日本社会の、さまざまな動き、さまざまな思想が、紹介されています。靖国神社問題を、平面的ではなく、時間軸の中に立体的に理解できる書です。
= 引き続き読書中 =