Back Number 7
月牙泉
敦煌 (中国) 1998年12月  35mmフジプロビア
 12月の敦煌はとても寒かった。カメラを持つ手が瞬く間に骨まで凍りつく。当然オフシーズン、鳴沙山までの土産物屋の通りは、まるでゴーストタウン。運転手と別れて一人砂丘に入ると、砂丘独り占めの楽しさ。ぐるり回って月牙泉まで来ると残る足跡、人の気配、かすかに聞こえる読経の声。近づくと二人の僧がお堂を巡りながら、お経を上げていた。この三日月形の月牙泉は、大砂丘の中にもかかわらず、未だかつて涸れたことがないという。